一身田の新聞 令和元年(2019年)7月号できました。

2019.07.19|ニュース

三重県津市一身田地区の新聞です。


【特集】
自治会の課題や悩み
自治会長にアンケートで尋ねる

一身田地区には30の単体自治会があり、それぞれが一つとなって連合自治会を形成している。連合自治会と一身田の新聞は単体自治会長にそれぞれ個々の問題や悩み、解決方法などを尋ねたアンケートを郵送した。これは、町民一人一人が問題を共有化し、「見える化」することで問題意識を高めたいと考えたからである。18自治会長より回答を得た。

設問は4つの項目に分け、

①自治会が抱えている課題や悩み

②その事に対して取り組んでいる事

③近所どおしの助け合い

④行政や連合自治会で取り組んで欲しい事を記述式とした。(複数回答可)

その結果、最も大きな問題点として「高齢化が進み役員の引き受け手がなく困っている」との回答が4自治会から、「災害時の要支援者の支援の取り組み方法がわからない」が4自治会からあった。

高齢化問題は役員の引き受け手問題に留まらず、空き家や会員収入の減少で地域内のイベントの取りとめや削減をもたらすようなった。また、「イベントを行っても人が集まらなくなった」との意見や、更に深刻なのは「子どもが居ず地域の行事ができない」との回答があった。
世帯数の減少は、下水道の維持管理費にも影響を及ぼす。「公共下水道接続に関わる費用や老朽化した処理場の費用負担などが不安」、公園管理で「トイレ掃除の費用や若い方も手伝ってほしい」など団地に住んでいる声も2件あった。また、高齢者や仕事を持っていて子育て世代にとっての自治会長職はキツイとの意見。「役員が1年ごとに交代するので情報が途切れる」との問題提起。

「団地内にはスーパーやコンビニなどがなく、バスの本数も少なく、買い物難民化している」との意見、「里山が荒れ山となり、集中豪雨などが起これば崩れないかと心配」
「休耕田の適切な維持管理が課題」、数十年来地域住民を悩ましている「一小の砂塵対策はなかなか改善されない」などの意見もあった。

取り組み

では、これらの問題や課題についてどのように取り組んでいるか、取り込もうとしているかを尋ねた。

買い物難民化の恐れがある自治会からは、「バス券を全世帯に配りバスの利用を促している」。空き地や空き店舗問題を指摘した自治会からは「地域の役員や商店主らと情報交換を密にしている」との回答があった。また、「空き地バンクを創設しては!」との提言もあった。
公園の管理では、「今までボランティア活動で賄っていたが今後は有償化していきたい」、老朽化した汚水場施設問題では「受益者負担として値上げを行いつつ積立金を増やしていきたい」、防災対策として「電話連絡訓練」を実施した自治会もあった。また、「社会福祉協議会が行っている『絆バンド』施策を全世帯に配布したい」との自治会があった。
とにもかくにも「他の自治会での取り組んでいることを知りたい。情報収集して活性化したい」との回答が2自治会からでた。

近所の助け合い

自治会組織の中でも重要課題、「近所間の助け合い」についても尋ねた。
その結果、「声掛け、あいさつ運動を機会あるごとに呼びかけ、孤独死の未然防止に努めている」「2~3か月に1回役員会議や組長会議をもち、困っていること・人の情報を共有化している」と、2自治会から回答、防災訓練を通して近所間で声かけをしている」との回答もあった。

行政や連合会で取り組んで欲しいこと

最後の質問として行政や連合自治会が取り組んで欲しいことを尋ねた。

その結果、「アパート建設ラッシュで車の通行量が増えたにも拘わらず、市道の交差点での見通しが悪く事故が急増。整備を願いたい」、「一身田地区も『ゾーン30』※に指定して交通安全をしっかり行って欲しい」と、2自治会からの要望。
「頻発する集中豪雨に対して集落の背後にある山の安全チェックをお願いしたい」「JR伊勢線の高架下コンクリート廃材と土盛り斜面の雑草処理を適切に行っていただきたい」「自分たちの自治会費の中で支出が多いものに除草剤と連合関連費がある。何とかして欲しい」「都市計画税を支払っているが下水道の接続時はいつか教えて欲しい」
「敬老の日のお菓子配りの仕事量を減らしてほしい」「一身田の新聞は自治会長宅まで届けてほしい」「今まで行政や自治会でうまくいった例や失敗した例を挙げて講習会をして欲しい」の要望がった。(岡本記)

※ゾーン30
生活道路の歩行者の安全通行の確保を目的に区域(ゾーン)を定めて時速30kmの速度規制をする道路対策。

一身田新聞7月号写真